【side 神楽】


ーーいやだよ。私、かーくんじゃなきゃ嫌だ。



ーー私のこと、おばあちゃんになっても面倒みるって約束したじゃん!



ーー私だって、離れたくないよ……。



りぃの言葉が何度も頭の中で再生される。


抱きしめた細い腕の感触が、今でも残ってる。



だけど、それと同じくらい、あの出来事も鮮明に覚えている。



俺のせいで、りぃは怪我をした。


腕には傷が残った。


俺は、彼女を守ることができなかった。



兼仁おじさんの言うとおり、俺は執事としても、ボディガードとしても失格だ。


責められても文句は言えない。


すべては俺の責任だ。



俺にはもう、りぃのそばにいる資格はない。