【完】ふたりは幼なじみ。〜クールな執事の甘い溺愛〜


夕方の駅のホームは電車を待つ人でいっぱいだった。


乗車口のラインの前に、小さな行列がいくつもできている。


私とかーくんは、5両目の乗車口の列の一番後ろに二人で並んだ。



かーくんはずっと手をしっかり握ってくれている。


時々周りを見回して警戒しながら。


私は自分も気をつけなくちゃとは思っていたけれど、かーくんがぴったり側についていてくれてることにひどく安心してしまって、さっきまでの恐怖心は、いつのまにかどこかへ行ってしまった。



ダメだなぁ。すぐに気が緩んじゃう。


だからいつものん気だって言われるのかな。



ーータラララン♪



「まもなく電車が到着します。お乗りの方は、黄色いラインの内側に…」



電車の到着の合図の音楽と共にアナウンスが流れる。


その時、ふと前にいた黒いリュックを背負った男の人が、ポトッとパスケースを下に落としてしまった。


私はそれをすかさず拾う。



「あ、あのこれっ、落ちましたよ!」