うっとりするレミの横でふいに思い出してしまった。


あの日の夜の部屋での出来事。



あれはやっぱり、キ……いやいや、そんなわけないよね。



「…ないないっ、まさか!」



「えっ?どしたの?」



「あっ…いや、べつに……」



やばい。うっかり声に出ちゃった。



「ひ弱な御曹司よりずっとカッコいいよね〜。

いいなぁ。そういう守ってくれる男の子」



「…はは。まぁ、そう…だね。

いざという時自分だけ逃げちゃう人よりは、かーくんのほうがいい男かも」



「でしょー?やっと梨々香も神楽くんの良さがわかった?

だからもう神楽くんにするしかないよー」



「…なっ、だからそれは無理だって」



「えーっ、いいじゃーん」