……ん?どういう意味…?
なんて思った瞬間、かーくんのもう片方の手が私の頬に添えられる。
そして、そのままゆっくりと彼の顔が近づいてきた。
えっ…ウソ……。
ーードキドキ。ドキドキ。
心臓がすごい速さで脈を打つ。
ど、どうしよう…。
だけど、不思議と抵抗する気は起きなくて。
私はそのままゆっくりと目を閉じた。
まるで、受け入れるかのように。
だけどその時……、
ーーコンコン。
急に誰かが部屋のドアをノックする音がして。
私たちは慌ててバッと離れた。
「…は、はぁーい!」
「お嬢様、入ってもよろしいですか?」
…紫苑の声だ。
「え……あっ、ど、どうぞ〜っ」
一瞬心臓が止まるかと思ったけど、ダメなんて言うのもおかしいので、いつもどおり許可する。
そしたら紫苑はすぐにガチャッとドアを開けて中に入ってきた。
「…おや、神楽も一緒だったのですか」