「……かーくん…。来てくれた…の?」



「…っ、当たり前だろ。

それより大丈夫か?どっか火傷とか…」



「だ、大丈夫…。袖が…挟まっちゃって……」



私がそう言うと、かーくんはすぐに一度立ち上がって、それから袖に乗っかっていた大きな棚を持ち上げてどかしてくれた。



「…っ、なんだよこれ、クソ重いな。

なんでこんなの倒れたんだよ」



だけどまさか、二階堂くんに突き飛ばされて倒れただなんて言えないよね。



「とりあえず外出るぞ!」



かーくんはそう口にすると、私をまた軽々と両手で抱き上げる。


そのまま外へと急いで走っていった。



ほんとに、ヒーローみたい…。


かーくんが来てくれたらもう大丈夫だって思える。



やっぱりかーくんはどんな時だって、一番に私を助けにきてくれるんだ。


どんなピンチの時も、他の人が私を見捨てても、かーくんだけは必ず来てくれる。



こんなにも誰かを頼もしいと思ったことはなかった。