夢の終わりで、君に会いたい。

胸を撫でおろしながらもちゃんと笑顔で言えた自分を褒めるが、武藤は何も言わずに、私の存在なんて見えていないかのように横をすり抜けてゆく。


「え、無視?」


思わず出た言葉に、ピクッと体が少し動いた武藤が立ち止まりゆっくりと振り返った。

ヤバイ……なんで余計なこと言っちゃうの。

さらに怒らせちゃったら逆効果なのに。


「あはは」


『あ』と『は』をしっかりと発音しながら場をなごませようと笑う私に、雅紀が今朝と同じように口を開き空気を肺に取り入れる仕草をした。

嫌な予感はデジャブかも。


「……あのさ」


静かで低音な声に、まだ残っていた数名のクラスメイトが何事かと注目している。

向こうのほうで浩太までもが目を丸くしているのが映った。