休憩時間は、転校生にみんなが群がっていた。
転校生の名前は、武藤雅紀と言うらしい。
時期外れの転校に興味津々のクラスメイトが、レポーターのように質問をするのを私は自分の席から見学していた。
東京から引っ越してきたらしい武藤雅紀は、驚くほど無口だった。
アクションは数種類。
うなずく、そして首を横に振る、最後が目を閉じる、だ。
レポーターのどんな質問にもそれだけで返答する姿に、ひとりまたひとりと、その輪を抜けだしてゆく。
よほど愛想がないらしい。
私とはまったく逆みたい。
だって、私だったらニコニコといい人ぶるだろうから。
「んだよ。あいつ、スカしやがって」
真っ先にレポーターになっていた浩太がボヤいているのを聞いて、あらためて武藤雅紀に目をやるが、彼はもう三つ目のスキル『目を閉じる』を発動していた。
その姿はまるで外野を遮断しているように思える。
昼休みになっても、そして帰る時間になっても結局彼は言葉を発しなかった。
「あいつ、喋れないんじゃね?」
誰かの陰口が間違っていることを私は知っている。
『お前はバカか、って聞いたんだ』
さっき武藤が言った言葉を忘れるはずなんてない。
転校生の名前は、武藤雅紀と言うらしい。
時期外れの転校に興味津々のクラスメイトが、レポーターのように質問をするのを私は自分の席から見学していた。
東京から引っ越してきたらしい武藤雅紀は、驚くほど無口だった。
アクションは数種類。
うなずく、そして首を横に振る、最後が目を閉じる、だ。
レポーターのどんな質問にもそれだけで返答する姿に、ひとりまたひとりと、その輪を抜けだしてゆく。
よほど愛想がないらしい。
私とはまったく逆みたい。
だって、私だったらニコニコといい人ぶるだろうから。
「んだよ。あいつ、スカしやがって」
真っ先にレポーターになっていた浩太がボヤいているのを聞いて、あらためて武藤雅紀に目をやるが、彼はもう三つ目のスキル『目を閉じる』を発動していた。
その姿はまるで外野を遮断しているように思える。
昼休みになっても、そして帰る時間になっても結局彼は言葉を発しなかった。
「あいつ、喋れないんじゃね?」
誰かの陰口が間違っていることを私は知っている。
『お前はバカか、って聞いたんだ』
さっき武藤が言った言葉を忘れるはずなんてない。


