夢の終わりで、君に会いたい。

「あ……」

たしか、夢の中では野球部の人たちだったはず。

見ると、たしかに数時間前に見た顔たちがはしゃぎ声をあげていた。

笑いながらおたがいに押し合いながら走っている光景。

あぶないなぁ。

階段だって濡れているっていうのに……と、視線をそっちへ向けた瞬間。


――ドクン。


心臓が大きく跳ねた。

言いようのない不安が一気に押し寄せる。

この先の展開が一気に脳裏によみがえる。


そんなはずはない。


だって、あれは夢での出来事。

だけど、さっきから見たことのある場面ばかりが現実に起きている。

今、一瞬で浮かんだこのあとの展開。

階段がまるで大きな怪物のように口を開けている。


「あぶね!」


短く叫ぶ声が聞こえたかと思うと、派手な音を立てて一番前を走っていた男子が足を滑らせたところだった。

走って勢いがついていた男子は、そのままスライディングのように私に突進してくる。

脳が危険信号を出すけれど、よけることができない。


悲鳴をあげることさえできないまま、彼の足先が私を文字どおり突き飛ばした。


激しい衝撃の一瞬後、バランスを取ろうと踊っているみたいな形になりながら、上半身は 階段へ飛び出る。