「どうしよう……」


信じられないような顔をしてプリントを見つめている忍の声が震えている。


「忍」


「こんなに汚れちゃった」


そう言ってうずくまる忍。

どうしたの?

なんで泣くの?

どうしちゃったの?



声をかけたいけれど何も言えないまま、私はただ忍が持つプリントが細かく震えているのを見ているしかできなかった。