…………。 目だけを動かして右隣を見ると。 黒崎くんは、スマホゲームを始めていた。 え……、授業中に堂々とゲームする? すると、あたしと黒崎くんの間にサッと影が現れ。 「没収します」 小野先生の手の中に収められるスマホ。 「授業に集中しなさい」 「……あんだよ」 悪態をつく黒崎くんに臆することなく、凛とした姿勢を崩さないところはさすが小野先生。 黒崎くんはギロリと小野先生を睨んで舌打ちしたけど、 それ以上反抗することなく、今度は授業が終わるまでずっと机に伏せていた。