中川はオレに背を向け、部屋の隅にある棚の方に歩いていった。




オレは不安な気持ちに包まれながら、中川が手を伸ばそうとしている棚に目を向けた。




するとそこには、まるでどこかの町工場みたいに、
色々な工具が置いてあった。




ペンチ、ハンマー、ドリル、錐、ヤスリ、電動カッター、万力……。




ここは鉄工所でもないのに、どうしてこんな工具が置いてあるのか?




その答えは、ただ一つ。




あれはすべて、拷問に使われる器具だ。




中川は、棚からペンチを取り出して、
ゆっくりとオレがいる方に歩き始めた。