拷問ゲーム

｢や、止めて！ 止めて下さい！

圭介、助けて！

圭介！ 圭介！｣




美優が泣きながら、オレの名前を呼んでいた。




キラキラって輝く未来を信じていた美優が、ゲスな男たちを儲けさせるための道具にされそうになっていた。




オレは、慌てて立ち上がり、美優を救おうと、藤城に殴りかかった。




でも、オレの拳が藤城に届く前に、藤城の部下、四人がオレを取り押さえ、オレの腹を殴った。




オレはオレの腹にめり込んだ拳の衝撃に、顔を歪めて、うずくまった。




｢じゃあな、元気なお兄ちゃん。

美優の借金がなくなった頃に、迎えにきてあげな。

その頃、美優はテクニシャンになってるぜ｣




藤城のゲスな笑い声と美優が泣き叫ぶ声が、聞こえてきて、オレの胸は張り裂けそうだった。




美優はたまたま、貧しい家に生まれただけで、何の罪もない。




そんな美優の未来が奪われるのは、あんまりにも理不尽だ。




オレは腹を押さえ、うずくまったまま、ありったけの声で叫んでいた。