オレの周りに人だかりができて、辺りが騒がしくなってきた。




美憂の笑い声と美由紀の泣き声を聞きながら、オレが美由紀に何かを言おうとすると、
オレは口から血を吐いて、何も言うことができなかった。




体に力が入らず、息が苦しい。




もしかして、オレは死ぬのだろうか?




嫌だ、オレは死にたくない。




オレには美由紀がいるし、生まれてくる子供もいる。




頼むから、少しだけオレの時間を巻き戻して……。




オレは薄れていく意識の中で、そう思った。




変わり果てた美憂と今のオレが、出会う前の時間に……。




そうすれば、オレたちの人生は、二度と交わることはないはずだから……。