ある日、親父が酔っ払って、オレの体を椅子にロープでくくりつけた。




まだ小学生だったオレは、とても親父の力には勝てない。




必死に抵抗しても、そんなことは一切無駄だった。




「おい、敬。

お前は誰のお陰で生きてられる?

このオレに言ってみろ!」




親父の酒臭い息が、オレの顔に吹きかかる。




大人ってヤツは、本当に理不尽な存在だ。




オレには何の罪もないはずなのに、親父はオレを椅子に縛りつけて、弱いオレを服従させようとしやがる。




オレは親父をにらみつけ、何も言わずに黙り込んだ。