オレは意識が遠のいていく中で、自分が育った施設のことを思った。




愛されないガキだけが集められたその場所には、偽善に満ちた先生がいやがった。




オレはガキの頃から、誰にも愛されない人間だった。




そんなオレは、誰からも必要とされない人間なんだと、ガキながらに思っていた。




だけど、そんなクズなオレでも、オレを必要としてくれる人がいた。




それは美優だ。




美優がいるから、オレはオレでいられるんだ。




なお、美優。

オレは苦しくて、心が折れそうなんだ。




だから美優、オレに気力をわけて欲しい。




オレが藤城たちの拷問をやり過ごすために……。