そして、ついに大和田の拷問時間が終わり、オレへの拷問の時間がやってきた。




オレはその事実に吐き気がして、口元を押さえていた。




「どうした高木。

びびっちまったのか?

ギブアップした方がいいんじゃねぇか?

あの美優って女は、売り飛ばされちまうけどよ」




志村はそう言って、またゲラゲラと笑い出した。




「それじゃ、高木。

オレたちも行こうぜ。

あの拷問部屋によ」




志村はそう言って立ち上がり、オレの肩をポンと叩いた。




その瞬間、オレの頭の中に、美優の顔が思い浮かんだ。




美優が恵まれない女だってことを、オレは知っている。




美優が愛されなかった子供だってことも、オレは知っている。




だからオレは、美優を守ってやりたい。




美優の夢を叶えてやりたい。




美優はもう一人のオレだ。




だからオレは、絶対に美優を悲しませたくはなかった。