拷問ゲーム

「なぁ、高木。

お前はたった一言、参りましたって言えば、拷問から解放されるんだぜ。

そしたらお前は、もう辛い思いをしなくて済むんだ」




オレは藤城のその話を聞いたあとに、視線を下に落とした。




そしてオレは、爪を剥がされた親指をじっと見つめた。




何度も針を刺されたオレの親指の柔らかい肉からは、真っ赤な血が流れていた。




「裏切っちまえよ、あんな女なんて。

愛だとか、恋だとか、そんなことのために、自分を犠牲にすることはねぇんだぞ。

自己犠牲なんて、偽善だろ?

お前はこんな苦痛を味わっても、偽善で気持ちよくなれるのかよ」




愛や恋には形がないけど、それは絶対に存在することをオレは知っている。




オレにとってそれは、絶対に守りたいものだった。




だから自己犠牲は、オレにとって、偽善なんかじゃなかった。