謙太さんも向こうで『誰?』
と後で来た男の人に聞かれたようで
「友達の彼女の友達・・・それと
この子とは・・・オレの」
それとって?ここで言う?言わないよね。
耳をすませてイヤホンを少しずらして
聞き耳を立てるが相手の耳元で
コソコソと続きを言ったみたいだ。
相手の反応は『マジで?』
と驚く感じ。
何を言ったの?
まさか本当のことを?
あたしに頼まれたことを?
ここで問いかける訳も行かず・・・
貴生さんに気づかれても困るから
知らない顔をするのが一番だと思った。
先に出たのはあたしたち。
「もう帰るの?」
「うんお先に」
「早く帰って寝ろよ」
「わかってますっ!」
「ペットと言うよりは
渡辺って保護者みたい」
同席の男の人に笑いながら言われていた。
ぺ・ペット?はぁ?
外へ出ると貴生さんが
「さっきの人とよく会うの?
あまり好きじゃないんだけど
あ~言うの!彼氏の前なのに
遠慮とかないし」
彼氏・・・そう彼氏
貴生さんはあたしの彼氏。
「たまに会うぐらいかな?」
「二人じゃないよね?」
「ち・違うよぉ~
いつも隣の人が居るよ」
あ~あ嘘ついちゃった。
「数ヵ月前って何のこと?」
「あ・・・あれね
あたし冴えない女だったんです
飾らない女で・・・
さっきの人のお姉さんに
イメチェンしてもらったんです
その事ですよ」
「そーなん前の綾子ちゃんも見てみたいな」
「見たら嫌いになりますよ」
と笑ってごまかした。



