サガシモノ

あたしは目を閉じて深呼吸をした。


胸に響く柱時計の音。


これを聞くのも、もう最後にしたいと思う。


目を開けるとあたりは明るくなっていた。


「うわ、マジかよ」


周囲を見回して驚いた声を上げる松田邦夫。


武田陽太は興味深そうに校舎内をジッと見つめている。


「職員室へ向かおう」


そう言ったのは健だった。


昨日の映像で腕時計が職員室に移動しているからだ。


あたしたちは健に言われた通り、移動を始めた。


案の定、職員室に人影が見えた。


「あれって……」


職員室の窓から中を見ると、見覚えのある先生の姿があってそう呟いた。


「水原先生だ!」


海が言う。


教室の中にいるのは若い水原先生と吉原郁美だったのだ。