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それから生徒たちは倉庫内の死体をマットにくるみ、ステージ上に移動していた。


昨日外へ出ようとして爆発した吉本君たちの死体も、手分けをして運ぶ。


血は綺麗に拭き取り、少しでも自分たちがいる環境を整えることに徹していた。


それはもうここから出る事はできないという、諦めでもあった。


血生臭さが軽減された体育館の中には、相変わらず透明な部屋が存在していた。


昨日初めて見た時はなにも感じなかったそれが、今は殺人兵器に見えてしまう。


鬱々とした気分でいると、ステージ上にスーツの男が現れた。


みんなの視線が男へ向かう。


「梅田高校の諸君、昨日はよく眠れたかい?」


満面の笑みを浮かべて嫌味な質問を投げかける。


それに対して反応を見せる生徒はほとんどいなかった。


もう、男に逆らう生徒はどこにもいない。


「とりあえず今日は朝食の時間だ。とびきりの食材を用意した。楽しんで食べてくれ」


男がそう言うと、ステージの袖から料理が運ばれてくる。


「……行こう」


あたしは彩美の手を取り、ステージへと向かったのだった。