この殺戮バトルをパーティーかなにかと勘違いしているんじゃないか。


いや、奴らからしたらパーティーよりも面白いゲームなのかもしれない。


そう思うと、憤りを感じた。


チラリと彩美の方へ視線を送ると、彩美は怯えた表情でステージの男を見ていた。


「では、対戦相手を発表します!」


そう言った瞬間、A組の中に張りつめた空気が立ち込めた。


どうか自分が選ばれることはありませんように。


グッと拳を握りしめてそう願うしかない。


「次のバトルは……石井竜輔(イシイ リュウスケ)VS小谷結愛(コタニ ユウア)」


男が名前を呼びあげた瞬間、体育館全体がざわめいた。


男対女の戦いだ。


結果なんて、戦う前から明白じゃないか。


「う~ん、たまにはこういうバトルも見たいと思って男女を選んだけれど、みんなには不評だったようですね」


周囲から起こるざわめきに男は首を傾げてそう言った。


そんなの当たり前だ。


理性がある状態でも女の方が明らかに不利だ。


それなのに理性を飛ばして戦わせるなんて……。


一瞬にして、結愛ちゃんの死に顔が脳裏に浮かんできて、あたしは慌ててその想像をかき消した。


今までだって悲惨な死に方をしてきたのに、今回はどこまで残酷になるか想像もできない。