ようやく幸平君の動きが止まった時、美月ちゃんが綾子ちゃんの首を絞めはじめた。


すぐに標的を変えてすぐに行動へうつす。


それが新ルールに勝つための方法かもしれない。


4人のバトルを見ていてそう感じた。


自分にそれができるだろうかと、不安になった。


綾子ちゃんは口から泡を吹き、白目をむいて力をなくしてしまった。


美月ちゃんは立ち上がり、綾子ちゃんの死体を見下ろした。


「これで、やっと終わり……?」


公恵のそんな声が聞こえて来た。


さすがにその声は震えている。


たった数分から数十分の間に3人の生徒が死んでいく。


それは息をすることも忘れるくらい壮絶なバトルだった。


3人の死体を前にして、美月ちゃんが部屋の中で茫然と立ち尽くしている。


そして突然大きな悲鳴を上げたのだ。


悲鳴を上げながらその場に膝をつき、綾子ちゃんの体を揺さぶっている。


「綾子ちゃん! 綾子ちゃん起きてよ!」


そう叫びながら泣いているのだ。


「え、なに?」


彩美が混乱したようにそう言った。