山下くんは無表情で私を見おろしてくる。
感情が読めない。
怒っては……ないと思うんだけど、どうして黙ってるのかわからなくて怖い。
気まずい空気が私と山下くんの間に流れる。
……やっぱり怒ったの?
私、山下くんの恋愛観を否定してしまったのかもしれない。
でも、なんかモヤモヤしたんだもん。
山下くんが他の女の子と付き合うの、イヤだなって思っちゃった……から。
「さ、笹川さんって可愛いね!」
重い空気をどうにかしようと話題転換を試みた私。
でも、とっさに出てきたのが「笹川さん」って……
さっきの話から全然離れられてないし。
やっぱり私バカだな……。
「……そうだね。顔はけっこうタイプかも」
「へ、へえ!よかったね!」
なんか、とても不自然な返答になってる気がする。
恥ずかしくてうつむいた。
「付き合ってたら、笹川さんに本気になるかもしれないよ山下くん」
自分で自分の傷口をえぐる私。
「うん……笹川さんに本気になれたら楽なんだけどね」
「………」
んん?楽になる?
どーいう意味……?
また変なこと言ってるな山下くん。
「俺が笹川さんに本気になったらどうする? 愛音ちゃん」
あ。愛音ちゃん呼びになった……
なんとなく視線を上げると、そこには妖しく笑う山下くんの顔があって。
……ドク、、、。
え、何。
私の心臓の音、変……。



