山下くんがテキトーすぎて。






──キーンコーンカーンコーン。




終了を知らせるチャイムが鳴る。




「回答用紙のみ、後ろから回収。出した者から帰っていいぞ。合否は3日後の月曜日に発表する」




私の後に座ってた女の子が、私の回答用紙を丁寧に回収してくれた。




私はガタッと音を立てて席を立ち上がる。



それから急いで学習室を出て、教室までの廊下を走った。




早く山下くんに報告したくてたまらなかった。



だって、全部解けたから。



自分でも驚くくらい解けた。



山下くんの、おかげ。



ドキ、ドキ……



心臓が高鳴っていく。



山下くん、どんな顔するかな?


頑張ったじゃんって笑ってくれるかな?



どんどん想いが溢れてきて、なんだか苦しい。




「はぁ、はぁ……っ」




息を切らしながらようやく自分の教室の前に立った。




そして、
勢いよくドアをスライドさせる。




「や、山下くん……!」




私が名前を呼んだのと、山下くんが振り向いたのは同時だった。




ドキン、と大きく心臓が鳴った。



だけど、目が合った次の瞬時、

私は固まった。




山下くんのすぐ隣に

女の子が立ってたから……。




「お、遠山。追試どうだった?」




優しい笑顔で山下くんが聞いてくるけど、私は動揺してうまく言葉が出てこない。



「あ、うん……できた、よ」




そう言いながら、私の視線は隣の女の子に釘付け。



同じクラスの子じゃなかった。



すごく……可愛くて、名前は知らないけど校内で見かけたことはある。



華があって、かなり目立つタイプの子。




どうして、山下くんと……




山下くんがの制服の袖をつかむ白くて細い手が目に入って、

もしかして、と思った。





「……えっと……彼女、さん?」



「そーだよ」




山下くんの、迷いのない即答。



ドク、と冷たい音がした。