あまりの緊張で手汗はひどいし、早くも頭が混乱して真っ白になりそうだった。
問題に目を通しながら、どうしようどうしよう……と焦る気持ちばかりが募っていく。
落ち着かなきゃ、私……。
"追試、頑張ってね"
山下くんの言葉を思い出す。
"だいじょーぶだよ。俺がついてるから"
一瞬だけ、ぎゅっと胸が締め付けられたみたいになって、私はシャープペンを強く握りしめた。
大丈夫、大丈夫。
山下くんに教えてもらったから。
山下くんが教室で待っていてくれてるから。
これが終わったら、山下くんに会えるから。
そしたら私、山下くんに……。
一度、目を閉じた。
そして軽く深呼吸をしてみると、不思議と気分が落ち着いた。
雑念が嘘みたいに消えていく。
私は、問題をただ一心不乱に解いた。



