山下くんはそのまま無言でズカズカとこちらに歩み寄ってきて、
大倉くんを一瞥したあと、
私に視線を向けた。
「山下くん、なんでここに…」
次の瞬間、私は強い力で腕を引っ張り上げられた。
ぐいっと抱き寄せられて、
山下くんの甘い匂いが鼻を掠める。
「ごめんね〜大倉クン。
ちょっとこの子借りるから」
えっ?いや、何言ってんの!?
山下くん!!?
その笑顔気持ち悪いよ…!!
「山下くん、離して…っ」
必死に抗うも、
山下くんは私の言葉をガン無視。
私の腕を掴んだまま、山下くんは図書室を出て行こうとする。
「ちょっと、待ってよ山下くん!私、今大倉くんに数学を────」
「愛音ちゃん、うるさい。
黙らないと口く塞ぐよ」
………ヒイッ!!
怒ってる!!!!
山下くん怒ってる!!!!



