廊下に出た途端、足が早くなった。
グラウンドの方から、野球部の野太い声とボールを打つ金属音が聞こえる。
あの音の中に
紛れてしまいたいと思った。
山下くんのことを考えなくて済むような、そんな場所に逃げたい。
山下くんのこと考えると、
意味わかんなくなってやだ。
「あれっ、遠山さん?」
体育館を横切って校門を抜けようとしたら、不意に背後から名前を呼ばれた。
反射的に振り向くと、大倉くんが体育館のドアから顔を出して、こちらに手を降っている。
「もう勉強終わったの?」
「う、うん」
「山下とは帰らないの?」
「えっと…ちょっと…ね、」



