売店の前の自販機で飲み物を迷っていたら、すぐ後ろに人の立つ気配がした。
振り向くと、爽やかな笑顔の男子……
同じクラスの大倉研哉(おおくら けんや)くんが立っていた。
大倉くんとはあまり話したことがないけど、山下くんと同じくらいモテる。
そーいえば、
山下くんって帰宅部なんだよね。
運動神経、相当いいクセに。
「あれ、遠山さんじゃん!
まだ学校いたんだ?」
「うん。ちょっと勉強してて。
……大倉くんは?」
「今、部活休憩中でさ。
なんかジュース飲もうかなって」
「そっか、お疲れ様です。あっ、先にいいよ。私まだ決められてないから」
「おーサンキュ。つか、
飲み物ってそんなに迷うもん?」
お金を入れながら大倉くんが聞いてくる。
「あ、自分のじゃなくて、
山下くんに頼まれたから……」
「えっ、山下?」
驚いたように
こちらを振り向く大倉くん。



