「起立ー、礼」
日直の掛け声のあと、教室中が一気に騒がしくなった。
「あたし、バイト行くね。
愛音、勉強ファイトしろ〜〜」
かんなはそう言って
早々と教室を出て行く。
皆がぞろぞろと帰っていく中、山下くんは眠たそうに目をこすっていた。
「山下ー、帰ろーぜー」
そこに、山下くんの友人の
藤本くんが近づいてくる。
「あー、今日は遠山と予定があるから
先帰っといて」
「……もしかしてデート?」
「そーそー。だから、邪魔すんなよ?」
な…な……デート!?
「ふ、藤本くん違っ───」
否定しようと出かけた言葉は、
山下くんの手によって封じられた。
左手で私の口を押さえながら、反対の手でしっしっ、と藤本くんを追い払う。
「早く、二人にしてくんない?」



