* 家の中までもが暗かった。 玄関に春華さんの靴はない。 そのことで、電話の用件はだいたい察しがついた。 案の定、ダイニングのテーブルの上には 一万円札が1枚 無造作に置かれていた。 このぶんだと1週間は帰ってこないのか。 推測してみて安堵のような吐息が漏れるものの、 いつ帰ってくるかなんて正確には分かるはずもないから頭は重くなる一方で。 だからと言って折り返し電話を掛けようだなんて思わない。 死んでも思わない。