「かんな、お願い〜〜」



昼休み。

私は親友に手を合わせた。



「いやー、あたしだって
数学できるわけじゃないんだよ?」



「全然いいから!基礎的なところをばばーっと教えてくれれば!!!」



「でもあたし、放課後は毎日バイト入ってるし、時間取れないかもよ?」



「あ…そう、だったね、そういえば…」



放課後以外の時間は……むりだ。



朝早くやるのは申し訳ないし……
その前に私も早く起きれないし。



休み時間は10分しかないし、昼休みもお弁当食べてたらすぐ終わっちゃう。



「かんな、私どうしよう」


「とりあえず、がんばれ」


「りゅ、留年するかもしれない」


「……あたし以外に誰かいないの?」


「………」