山下くんがテキトーすぎて。




呆れたようにふっと笑って、「行ってらっしゃ〜い」とゆるく見送ってくれた。



水道にて手早く歯磨きを済ませる。

鏡を目の前にして、なんとなく手ぐしで髪の毛を整えて、唇にリップを塗ってみた。




よし!と気合いを入れたあとで廊下をダッシュする。


保健室は棟が違うからけっこう距離があるけど、走れば軽く30秒ほどで着いてしまう。




『保健室』と書かれたプレートが目に入ったところで一旦足を止めた。


そしてドアの手前までゆっくりと歩き、すうっと息を吸って吐く。



3回ノックしてみるけど、数秒経っても中からの返事はなかった。

電気はついてるから人はいるんだろうけど……。



「失礼しまーす……」



そっとドアを開けて中を覗けば、誰も座っていない教員机とカーテンの閉まったベッドが目に入った。



……先生いないのかな?