「山下、今日は保健室でおとなしく寝てろよ」
低い静かな声が空気を裂いた。
一瞬、「誰?」と思ってしまうほど調子が変わっていた。
間違いない、声の主は藤本くん。
いつもの無邪気さや明るさが消えている。
背中がぞくっとした。
「必要ねー。ふつーに授業受けるし」
──どうせ寝るくせに!?
という突っ込みなんて、とても口に出せたもんじゃない。
だって山下くんの声も藤本くんと同じ音をしていたから。
なんだか、ここに私がいてはいけないような気までしてくる。
「保健室いけ。その調子じゃあお前、土日は……」
「めんどくさい。そしてうざい」
「めんどくせぇのはお前の方。またかかと落としくらいたいか?」
「……それは勘弁」



