それは、山下くんと席が隣になる前の月の、ある休み時間。



たまたま男子トイレの近くを通った時に聞こえた会話。



私のことなんて
眼中にないんだってわかった……


頑張って諦めたんだ。


でも隣の席になったとき、
本当は少し嬉しかった。



同時に、まだ山下くんのこと好きなのかなって戸惑った。



本当は、ずっと意地悪でいいよ。


私が期待しなくて済むから。


だから、きらいだよ。


私に優しくする山下くんなんて


だいっきらい──。