ドン、と壁におしつけられた。 ここは、例の非常階段。 固くて冷たい感触が背中に伝わる。 私の顔の真横には山下くんの長い腕が伸びている。 これは……壁ドン。 だけではなく、 「や、山下くん……?」 彼の長い脚までもが、少し曲げた状態で私の太ももの間に、あって。 あ、足ドン?!いや、股ドン?! んああ、もう用語がわからないっ!! 私は完全に。 壁と山下くんの間に捉えられてる。 山下くんの指が、私の髪をさらっと持ち上げた。