私は山下くんに背を向けて
大股でズンズンと家へ向かう。


もう、山下くんなんか嫌い!


だいっっっきらい!!!!



人のこといじめて楽しいとか
ありえないし!!




「じゃーね、遠山。気をつけて」




後の方から聞こえた山下くんの声を無視して歩き続ける。




うるさいよ、山下くん。


うるさいもん。



だってね、山下くん。



好き……だったんだよ。



私は単純だから、一目惚れだったんだ。



同じクラスになって初めて
山下くん見たとき、


頭の中が一瞬で

山下くんでいっぱいになったんだ。



だけど………