沈黙。風が二人の間を通り抜ける。
太陽が少し山際に隠れて、逆光でよく見えなかった山下くんの顔がだんだんはっきとしてくる。
目が合いそうになった瞬間、逸らされた。
俯いて、表情を読ませてくれない。
「……あの、山下くん……?」
私を掴んでいた手が力なく放された。
その手はそのまま、ポケットの中へ突っ込まれる。
「……そっか。じゃあ明日は、お互い楽しもうね」
冷たくもない、あったかくもない声。
山下くんらしい、感情のこもらない声。
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