山下くんがテキトーすぎて。






「だからさ〜、別に忘れなくていーじゃん?何をそんな必死になってるわけ?」



昼休み。

私の隣──山下くんの席に座ってカフェオレを飲みながら、かんなが面倒くさそうなカオでそう言った。



ちなみに山下くんは、さっき弁当袋を持った藤本くんに引きずられながら教室を出て行った。


いつものように屋上で食べるのかな。




「愛音ー、聞いてんの?」


「聞いてるよー」


「あっ、山下だ」


「えっ?!」


その名前に動揺して、持っていたお箸が手からするりと落ちた。


カチャ、と音を立てて床に転がる。


……あちゃー。最悪……。



不意にかんなが顔を上げてそんなことを言うから視線をたどる……けど。



「……どこ?」


「うそだし」


「……かんなのばか」


「ばかはあんたでしょ。山下がいるわけないじゃん、教室に。しかも箸落とすとか、笑える」



ちょっと、ひどくない?

私が山下くんに片想いしてること、完全に面白がってない?



……片想い。はぁ…そうだ。

世に言う片想いをしてるんだ私。


いやぁ、青春だ。まさに青い春だ。



「あはは…」