山下くんがテキトーすぎて。




「そ、そういえば昨日のデートどうでしたか、山下くん」



ただ座っていても気まずいし、何より緊張するので、私は話題転換して話しかけてみた。


だけど話しかけてみて、話題がまた自傷行為なことに気づいた私はやはりばかなのか。




「抹茶ラテが甘かった」


「あ、そう……」


「うん」


いや、うん、じゃなくてさ。
もっとあるでしょふつー?


笹川さんが笹川さんで笹川さんの…みたいな。

彼女、なんだし。


まぁ、聞きたいわけじゃないけど。


むしろ、知りたくなんかないけど。




「じゃあ遠山さんは、どーでしたか。昨日のかんなさんとのデート」



「えっと、クレープがおいしかった…?」


「おいしかった、が、なんで疑問形で終わるんだよ」



「えっ、だって……」



それはですね、あなたのこと考えて泣いちゃったからクレープの味なんて記憶になくて……


なんて言えるか!




「……あ、そうそう、途中で大倉くんに遭遇してね──」


「は、大倉?」



私の言葉を遮る、突然の低い声。