「さて、と」



無言で3分間ほど歩き続け、大倉くんが足を止めたのは公園の前だった。




「中、入ろっか」


「う、うん」



促されてぎこちなく頷く。

大倉くんの爽やかイケメンさには
いまだに慣れない。



ベンチに腰を下ろすと、大倉くんは
はぁーっと盛大に息を吐き出した。




「やっぱり俺、焦ってるんだよなー」



「……焦ってる?」



「遠山さん見てると、余裕なくなる」



「…っ」



途端に、ぼっと顔が熱くなる。

いや、だからこの人、

いちいち心臓に悪いんだって……




「遠山さんが泣いてるの見るの、耐えられないし、おまけにその原因が山下とか、ムカつくし」



「…………」



「山下なんか見てないでさ、

俺と、付き合ってよ」



「……え?」