「泣いてるの? 大丈夫…?」


「ううっ……大倉くん…」



顔を上げて見るけど、涙で視界がぼやぼやしてはっきりしなくて。


でも大倉くんが本当に心配そうに私を見つめているのがぼんやりとわかった。




「大倉くん…どうしてここに…?」


「俺もちょっとあの子らとクレープ食べに来ててさ……」




大倉くんの後ろには、うちの学校の制服を着た女の子が4人ほど。



さすが王子様。女の子をはべらせてる。





「ってのはどーでもよくて。なんで泣いてるの、遠山さん」



「うっ、それは……」



「山下」


「え、」


「だろ?」


「ううっ、」


「ほら、図星」



わかりやすいなー、なんて言って、大倉くんはハハっと笑う。