下駄箱に着くと、手は解放された。
お互い黙ったまま上履きに履き替える。
うーん……気まずい。
なぜかとても怒ってる山下くん。
いや、ほんとは怒ってなくて、
ただの低血圧でイライラしてるだけかも……。
そんなことを考えていると、先にスタスタと歩き始めていた山下くんが
不意に私を振り返った。
「……それ、何?」
さっきとは調子の違う、
少し穏やかで、落ち着いた声。
山下くんの視線を辿った先には、
お母さんが持たせてくれた紙袋があって。
「あぁ、これは山下くんに……」
そう言いながら、ハッする。
もしかして山下くんが機嫌悪かったのって、私が山下くんに会って1番にお礼を言わなかったからじゃ……!?
「山下くん、ごめんっ!!」
気づけば、頭を下げていた。
それを見て山下くんは、
「……なにが? なんであやまんの?
俺、別に怒ってないよ。遠山には」
と不思議そうに首を傾げた。
あれ。もしかして違う?
よかった……。
一人で勘違いして恥ずかしいけど、違うなら、それに越したことはない!



