「……うわっ!?」
腕が強い力で引っ張られて、
体がバランスを崩す。
そんな私を、甘い匂いが包み込んだ。
「おはよー、遠山」
上から振ってきた
低くて、抑揚のない声。
「お、おはよう……」
一瞬で血液が沸騰したみたいに体が熱くなって、心拍数があがる。
「大倉クンも、おはよ」
「………」
ちょうど校門の入り口のところで
向かい合うふたり、と私。
何が起こってる?
山下くんの手が、
私の肩に触れてる……。
山下くんはニコニコと笑ってる。
笑ってるけど……なんか、出てるよ。
黒いオーラが見える…!!
これ、やばいやつだ!!!
「ね、ねぇ!こんな所で立ち止まってたらみんなに迷惑だよ!」
私は山下くんの腕の中から抜け出て、
ふたりにそう訴えた。



