こんな近くで人が喋ってるっていうのに、山下くんは全く目を覚まさない。
一日中寝てるくせに
なんでそんな深い睡眠とれるの!?
やっぱり山下くん変!!!
いや、先生が来たってわかって
狸寝入りしてるのかも?
いやいや、でも、
演技でこんな気持ちよさそーに
寝れないでしょ!
なんか、
起こすの悪い気してくるけど……
「……山下くん」
そっと、肩に触れてみる。
すると、
山下くんの肩がわずかに動いた。
「……ん…」
ゆっくりと顔を上げる山下くん。
本当に今まで熟睡していたよう。
ぼんやりとした目で私を見つめてくる。
「……愛音ちゃん…」
「……おはよう、山下くん」



