国道を曲がって、家の近くの小道まで来た時だった。




「ねぇ、山下くん」




私は無意識のうちに話しかけていた。


辺りはもう薄暗かった。





「山下くんは、
告白されたら付き合うの……?」






あれれれれ…私何言ってるんだろ?


この話題は、山下くん的にも私的にもNGでしょうが……



ウザいって思われたらどうしよ。





「ごめん、山下くん。なんでもない」




慌ててそう言ったのに、




「まぁ、付き合ってって言われたら、テキトーに付き合ってたよ。今まで」




山下くんは平然として答える。



やっぱり、そうなんだ。

今までも彼女、いたんだ……。




「……付き合うのは、断るのが面倒くさいから?」



「んー、まぁ。付き合ったら、楽なんだよね。楽な方がいーでしょ」



「……楽?」



「…………」




疑問形にして言葉を返してみるけど、山下くんは答えてくれなかった。



よくわからないのは、
熱で頭がまわらないから……?





「じゃあ山下くんは……」




「ん?」




「もし私が、付き合ってって言ったら、付き合ってくれるの……?」