「足元がおぼつかないの、かわいい」
「……いや、イミフだし」
「うまく歩けないのに頑張って俺についてくるのも、平気だって言って強がるのも……ほんと、たまんない」
「…………」
またわけわかんないこと言ってる。
わけわかんないけど、とりあえず馬鹿にしてるんだな、私のことを。
そういえば山下くん、ちょっと歩くの早いっなて思ってたけど……
わざとだったんだね!?
「人のことけなして喜んでるなんて、素敵な趣味してますね」
皮肉を込めてそう呟くと、
「けなす? それは心外だ」
なんて言って山下くんは
わざとらしく驚いてみせた。
「褒めてるんだよ、遠山。まぁ、いい趣味してるってのは認めるけど」
「…………」
うそつき!!!
どこが褒めてんの!!!?
テキトーなこと言わないでよ!!
……って、言い返そうと思ったのに。
なんか、また頭がぼーっとして……
クラクラして……
「あ、遠山。青になったよ」
「……あ、うん……」



