にゃおん、とお出迎え



そうして、一年くらいの月日がたった。
新しいあたしたちのおうちは、マンションの三階にある。
そこはベランダが広くって、ショーゴくんがいっぱい鉢植えを置いているから、蝶々とかも時々来るんだよ?

あたしはそこで日向ぼっこしたり、相変わらず抜け出してお散歩をしたりする。
そうそう、このマンションはペット用の扉があるの。あたしたちみたいな小さいものしか通れない、ベランダへの通行路。だから不用心なんてことも無いんだよ。

変わったことと言えば、あたしとミネちゃんが、カタセくんのことをショーゴくんって呼ぶようになってことと、ミネちゃんのお腹が大きくなったことくらいかな。

大きなソファに座りながら、ミネちゃんはお腹を愛おしそうに触る。
隣には、分厚いご本がいっぱい。名づけの本なんだって。ショーゴくんがいっぱい買ってきたんだよ。

そよそよと風を浴びていたら、青い車がマンションの前で停まった。

「ほら、美音、足もと気をつけろって」

「だってぇ。よく見えないんだもん」

「一緒に上まで行くから、駐車するまでそこで待ってろ」

ミネちゃんとショーゴくんの声だ。帰ってきたんだね。
じゃああたしもお部屋の中に戻らなくちゃ。

お部屋に入り、まっすぐ玄関まで直行。
ちょこんとお座りして、扉が開くのを待つ。

「ただいまぁ、モカちゃーん」

「にゃーおん!」

おかえり。
あたしはいつでもお出迎えするね。

ミネちゃんとショーゴくん。それにこれから増える家族のために。

【Fin.】