「ま、まあでも、今日も教えてもらうことになってるし」

「マジで!?じゃあチャンスはまだあるってことね!?」

「な、なんでそんなに私と中邑くんを仲良くさせようと思ってるの?」

「なんでって、中邑君だよ?この学校で有名な中邑君!そんな有名人と仲良くなれるチャンスなんて早々ないんだから、このチャンスをものにしなきゃダメだよ!もしかしたらこれをきっかけにつき合えちゃうかもしれないし!」


「つっ……!?」


付き合う!?

ま、まさかぁ!!
そんなことあるわけないよ!


栞は何故か張り切っていて、脅すように「今日は連絡先を聞くんだよ!」としつこい。



連絡先って、知ったところで何を送ったらいいか分かんないし。

そもそも中邑くんは、こんな頭の悪い私なんかと仲良くなんてなりたいなんて思ってないよ。


勉強を教えてくれるのもきっとたまたま。

見かねて教えてくれるだけで……。



「分かったよ。今日聞けそうだったら、聞いてみる」


でもそう言わないと栞は止まりそうにないから、仕方なくそう答える。

栞は私の言葉に、ようやく落ち着きを戻してくれた。