中邑くんの部屋はとてもシンプル。

ベッドとテーブル、それに小さなタンスだけ。

テレビは興味がないからって置いてなくて、普段はラジオや音楽ばかり聞いてるらしい。

暇さえあれば勉強が読書。

あとは、私と一緒にいること?


本当に真面目な中邑くん。

でもそんな所が好きなんだよね。



「さて、勉強始めましょうか」

テーブルに教科書とノートを広げ、テスト勉強開始。

真剣に教科書を眺める中邑くんはとても格好よくて、つい見とれてしまう。

勉強に集中しなきゃならないのに、ペンを動かす手が止まっちゃうんだ。


「……何見てるんですか?」

「え?あ、べ、別に」

私の視線に気づいた中邑くんが、低い声でそう言って、慌てて目線を教科書に落とした。


集中してないから怒っちゃった?

ダメダメ、気持ちを切り替えなきゃ。