真面目で冷淡な彼が豹変するとき

「あ、ああ。昨日のって。……あれは僕の姉ですよ。今三年生なんです。図書室で探したい本があると、一緒に行っただけですよ」


……!?


「へ?……お、お姉さん!?」


「はい。姉ですね。それ以外に他の女と歩いた記憶はないから」



……知らなかった。

中邑くんお姉さんいるんだ。


安心してしまったのか、ふっ、と身体の力が抜けてよろけてしまう。


そんな私の身体を、中邑くんは支えるようにして抱きしめた。


「な、中邑くん!?」


「勘違いして帰っちゃったってことですか?……それって、もしかして僕のこと好きだからですか?」



ストレートに聞かれて、顔が一気に赤くなるのが分かった。



……そんな、ハッキリと聞かれるなんて!




「す、好きって」


「正直に言ってください。言わないと離しません」




もう心臓が壊れそうなくらい、激しく動いてる。


これでもかってくらい身体が熱い。



好きって言ったら、中邑くんはどう答えてくれるの?




知るのが怖い。



……けど。